2018-11-15

IBIS2018に参加してきました

IBISは機械学習の理論寄りのワークショップです。今年で4回目の参加でした。
そして感想を書こうと思った矢先に次のyokoiさんのツイートが流れてきて完全に同意。
私はアプリケーション側の人間です。そして解きたい問題のサーベイをしても同じ設定の文献が見つからない事がよくある。サーベイの仕方が悪いのか、そもそも研究対象になっていないのか判断がしにくい。そこでIBISにいらっしゃる方々に話を振ってみるとスッと見た事のない文献を教えてもらえたり、それは研究テーマになりそうだね、と次に繋がったりするのが最高。

あとは目の前で寿司を食っている人が3年前からTwitterでフォローしていた人だとわかったりするのが面白い。

チュートリアル

山田先生の半教師付き学習におけるラベル無しデータの役割りの話はまさに疑問に思っていた所の解説。さらにMulti-Task Learningは業務で試したかったので丁度良いタイミング。後で既存実装はMatlab版があると教えていただけた、Python版の実装をするならMatlabの実装を使って答え合せができる。

https://github.com/jiayuzhou/MALSAR

Selective Inferenceは身に沁る話題だった。L1正則化で素性選択した機械学習モデルを日々運用していると、稀に誤った素性が選択されおかしな動作をして問いあわせが発生するので。LASSOに対する特徴選択バイアスの補正は計算可能との話なので、手元で試せたらやってみたいネタ。

「クエリ可能な確率的組合せ最適化問題」は不完全な情報下で最適化問題を解くにあたってどこの情報を探れば良いかを求める物。組合せのパフォーマンスが不明でコストをかけて情報を得ていく設定は実務でよくあるのでこの手の話は好き。しかし終盤は難しくて敗北しました。ただ自分のやりたい事に近くて、どの方向に行けばいいかの示唆が得られたのが大きかった。

企画セッション:離散構造処理

組合せパターンをグラフで表現して高速に演算する話。ZDD, BDDは全く知らない分野だったので聞けてよかった。そして問題構造にマッチしたら圧倒的に強い事がわかった。事例紹介に出てきた組合せパターンの数の60桁越え……。Pythonのライブラリもメンテナンスされており、今すぐに適用できる問題が近くに無いか探したくなる奴だ。

招待公演 Multi-armed bandits and Boundary Crossing Probabilities

容赦無くテクニカルな内容。バンディットアルゴリズムの理論については確率一致法やチェルノフ・ヘフディングの不等式で裾確率の上界を抑えるんでしょ程度の理解しか無かったのでついていけなかった……。ただ今の研究の雰囲気が知れたのは良かった。30年前に導かれた境界通過確率(Boundary crossing probabilities)を駆使しているのと、報酬の分布を一般化してK次元指数分布まで進んでいるっぽい。

まとめ

北海道の食を堪能できました。


このエントリーをはてなブックマークに追加